BI(ビジネス・インテリジェンス)ツール*1や在庫管理ソフト、会計ソフトなど様々なソフトが提供されています。昨今はこれらのソフトをサービスとして提供するSaaSと言う形態で提供されているのが当然になりつつあります。SaaSを導入する前に考えてみたいことを紹介します。
目次
SaaS(サーズ)の導入を検討する前に考えてみたいこと
要するにソフトを導入する時に気に留めたい事を知っておこう、と言う話です。ただ、現在ソフトを使うには買い切りという形態とサブスクリプションという形態があります。これがややこしいので、ざっと確認しておきましょう。
*この記事は最終的に会計の話になります。経営層か、兄姉視点でツールを検討したい方向けです。使えれば何でもいい人には役立たないかも知れません。
SaaSとは
SaaSとは Software As A Serviceの略で、サービスとして提供されるソフト、と言う意味です。SaaSではない買い切りソフトをまず確認してからSaaSの話に入ります。
イメージしやすい買い切りから理解する
1990年代、スーパーファミコンでプレイしたストリートファイターⅡのソフト。箱に入っていて、とてもごついプラスチックに基板が埋め込まれていました。
これをゲーム専用の筐体であるスーパーファミコンにガチャコン挿入すると、ゲームができる。ソフトがハードウェアをまとった状態(笑)
これは、買い切りです。お金を払って買ったから、私のモノです、ということです。
最近の買い切りソフトの場合
App StoreやGoogle Playをイメージすると分かります。ダウンロードしてインストールするのが最近の買い切りソフトの主流です。CDを買ってきてインストールする場合もありますが、メインのソフト購入方法はダウンロード⇒インストールだと言っていいでしょう。
SaaS
比較対象が揃ったところでSaaSです。サービスとして提供されるソフト。サービスの特徴の一つに非貯蔵性*2がありますね。自分のモノとして蓄えられない代わりに、使った分だけ、あるいは使うと約束した期間だけお金を払えば良い、と言う事になります。
携帯電話がいい例です。一ヶ月いくらで2年契約。もし一ヶ月当たりの通話時間が○時間を超えたら、1分当たり○円。完璧にサブスクリプションです。決められた定価で一定期間を契約してしまう。そして、予め決めた使用量を超えたら超えた分だけを支払う。この料金形態がそのままSaaSに当てはまります。
この場合、ソフトは自分のモノになっていないので、利用料は必要な機能を使う為に支払った経費という扱いになります。
頭がこんがらがりそうな話
ストリートファイターⅡは一度もやらなくても10年間やりこんでも、定価以上のソフト代は発生しません。それは自分の物になったからです。一方で、SaaSは利用するための経費です。前者は経費にならず、後者は経費になります。
ソフトに当てはまるかどうかはさておき、資産は徐々に劣化するという考えがあります。家だって傷むし、車だって傷みます。ソフトは痛まないけれど、時代と合わなくなってだんだん使いにくくなってくると考えれば、徐々に痛んでくるのと同じような資産価値の低下があると言ってもいいかもしれません。
つまり、資産に計上したソフトウェアは減価償却します。(わかりづら!)
資産にして劣化させるのか、掛け捨てにするのかの違い
要するに下記の通りです。
- 買ったら、あとから価値が下がってきてそれが経費になる
- SaaSならその都度必要な分だけ経費を支払う
どちらがしっくりくるか、と言う観点で選ぶのもアリだと思います。それが分かった上で、損得も考慮して選べればいいと思います。減価償却費は税額控除の対象として数年にわたって減税効果があるというような下心もあります。
ちなみに、筆者は仕事では断然、ソフトはSaaS派です。そしてプライベートは買い切り。どういうことかというと、会社では使った分市価払わないことによって、一時的に高く付いても損を限定する守りの姿勢。プライベートでは、思い出としてストツーのソフトを手元に持っておきたい。(あのプラスチックを会社においておくのはあり得ないですよね)