ゆんの業務改善ブログ

①生産性向上 ②業務改善 ③自動化 について情報発信しています。VBAプログラムは本当の初心者から他のアプリケーションを呼び出して使う上級者的な使い方まで幅広いレベルで解説していきます。

リモートワークの定着で見えてきたニューノーマルな働き方

2020年4月の在宅勤務開始から早くも半年が過ぎようとしています。この間、世の中ではリモートワークをきっかけに働き方やジョブ型雇用、脱ハンコなど働き方に関する様々な前提を見直す流れが生まれました。今後、バックオフィスの職場はどう変わっていくのか、そして私たちはどう対応していけばいいのか。リモートワークの定着で見えてきたニューノーマルと呼ばれる時代の働き方について語っていきたいと思います。

リモートワーク導入で変わった会議

新型コロナの感染防止策として導入された在宅勤務とリモートワーク。ネット環境があれば物理的に離れていても多くの業務が問題なくこなせることに気づいてしまった訳ですが、このリモートワークが多くのことを明らかにしました。

まず会議では声が大きいだけで中身が薄いオジサンが声の大きさや存在感を頼りにアイデンテティを保っていたことが明らかになりました。会議室での会議よりも発言者が注目を集めやすくなり、雰囲気や誰が発言したかよりも、何を言ったかという中身により関心が向くようになりました。

また、会議室での会議では同じ人ばかりが発言しがちだったのが、比較的意見のある人が発言するようになったのではないでしょうか。これはリモートワークを始めるまで分からなかった収穫だと言えるでしょう。

リモートワークでハッピーになった人

リモートワークを開始した4月ごろ、通勤時間がなくなりフルタイムで働けるようになったママはハッピーになりました。もともと短時間勤務制度を利用していたため、基本給が削られており働くママ達は低い給料で労働力を提供していました。働くママはダラダラと残業ができないため、そもそも時間内に終わらせる意識が高く、それでいてあたえられる業務量はそこらへんのおじさんとほぼ変わらず、安月給で時間当たりにすると多くの業務をこなしている優秀な層です。

その優秀なグループが、リモートワークのおかげでフルタイムで働けるようになり、より多くの仕事に取り組み、成果につなげている場面を見かけます。給料も上がり、成果も残し、充実感が増し、家族との時間も確保する。これはハッピーなことでしょう。

一方、夫もリモートワークの場合、一つ屋根の下にいる時間が長くなりすぎてストレスという声も聴きます。リモートワークと言う働き方を活かすにはAll or Nothingではなく、業務や働く人によって柔軟に(例えば木曜日と金曜日とか)出社とリモートを使い分けられるような制度にしていくことが重要になってくるでしょう。

リモートワークでアンハッピーになった人

リモートワークでアンハッピーになった人には大きく分けて二通りがあると思います。一つは目の前に部下がいないと管理ができない管理職、もう一つは貢献度が低くて定時まで時間を持て余している人です。

目の前に部下がいないと管理ができない管理職

まず目の前に部下がいないと管理ができない管理職ですが、これはそもそも部下の管理ができていなかったか、元はできていたのだけれども姿が見えなくなったことによって管理する方法が分からなくなってしまった人に分けられると考えられます。

そもそも部下の管理ができていなかったというのは、PCに向かって座っていることを働いていると見なしているだけでレベル低すぎなので論外です。もう一つの姿が見えなくなってしまったために管理ができなくなってしまったグループは相当数いるように見受けます。部下からの信頼が厚い課長なども、このグループに多く入ってしまっている可能性があります。

部下の机を見るだけでその部下が忙しいのかそうでないのか、困っているのか、順調なのかが分かると言う話を聞いたことがあります。普段から観察していれば机の整理整頓具合から部下の状況が見えてくるのだそうです。あるいは直接会えば顔色も分かるし、声の調子もわかるし、ちょっとした会話でフォローもできます。こういった五感を使った情報収集で部下をフォローしていくことは非常に重要で効果的である事に異論はありません。

しかし、これからはそれだけではこれからの時代はダメなのです。不十分なのです。ここがリモートワークでアンハッピーになってしまった人が乗り越えていかねばならない部分だと思います。

貢献度が低くて定時まで時間を持て余している人

悲しいかな優秀な人には仕事が回り、仕事ができない人は仕事を外されますますヒマになっていくというスパイラルが存在します。これは断ち切るべき負の連鎖ですが、リモートワークによる見える化がこのスパイラルを断ち切るきっかけになるかも知れません。

どこの部署にも一人か二人ぐらいは何もしていない人、何をしているのか分からない人がいるものです。リモートワーク導入前は周囲の人に話しかけたり、パソコンをいじったりして定時まで時間を潰していることができました。それがリモートワークをしているがために話し相手がいなくなり、人に話しかけることによって時間が潰せなくなりました。

パソコンをいじる時間の潰し方の方は健在でしょうか。そもそもパソコンをいじっているというのは作業内容が周囲から分かりづらいので、仕事をしているように見えるという時間の潰し方でした。しかし、リモートワークでは見た目に見える勤務態度より成果物、実績により注目が集まるようになり、実際はパソコンをいじって遊ぶ時間の潰し方はむしろしづらくなりました。

さすがに業務時間中にゲームをしたり漫画を読むわけのは気が引けるので、自宅でPCの前に座ってはいるものの、時間が過ぎるのを待つだけ、という非常に悲しい状況になっています。自分でも薄々気づいていた自分の存在価値の低さというモノに、正面から向かい合和無ければならなくなってしまったのです。

ここが大事なタイミングで、「このままじゃいかん!」と思って新しいスキルを身に付けたり、自分から仕事を取りに行くような姿勢にかわっていけば大いに状況は変わっていきます。こういった転換ができるかどうか、リモートワーク導入を自分が変わるきっかけにできるかどうかがこの層の鍵となることでしょう。

成果主義ではないがより実績が重要になるニューノーマル時代

ニューノーマルな時代は成果主義とは言わないまでも、これまでに比較すれば、より実績に注目した、努力や成果が報われやすい時代と言えそうです。従業員の間で待遇や評価に差が付きやすくなるかも知れませんが、努力が実績が評価される方が公平で納得感があるのではないかと私は思います。

だからこそ、成果至上主義に陥らず、ギスギスした人間関係を防ぐ為にコミュニケーション能力を高め、職場の雰囲気作りを大切にし、人間性が問われる、そんなことが大事になっていくと思います。仕事の成果がより重視される時代は人間性も問われる時代になるのです。

流れていく仕事

リモートワークに後ろ向きな人の傾向とわたしが捉えていることは、彼らが自分が担当している業務は実績をアピールしづらい、と思っているという事が挙げられると思います。

たとえば工場のバックオフィスでは生産管理や品質管理業務があります。生産管理や品質管理業務は新商品開発や営業部門に比べてアピールできるような実績が残しにくいという考えです。

製品を製造するには現場に行く必要がありますが、生産計画を立案するのに作業現場に行く必要はありません。しかし、実際は生産計画も効率良く行う方法を考えたり、品質管理も管理手法を工夫したり品質向上のための生産工程の改善提案をしたりと、付加価値を高める仕事は可能です。

日常業務とは離れた視点を持ちつつ、日常業務の中で工夫をし続ける。このような姿勢で仕事に取り組むと自ずと流れていく仕事のように思えた業務も改善のタネがある事に気づきます。このような姿勢で取り組むこと自体がより重要になってくると思われます。

一番大切な事は結局、気持ちの持ち方

ニューノーマルな時代には実績がより重要なファクターになることを述べてきました。そのためには業務に改善のタネがあると信じて取り組むことが大切な事についても説明しました。

まず、改善のタネがあるという姿勢を持った上で、実績を残していきます。有効な改善を行う為には日々の努力、とりわけ新しい技術や知識を身に付けることが大事です。注意点を一つあげるとすれば、せっかく自己啓発をしても勉強の成果を仕事に活かしている人はごく一握りであると言うことです。

勉強していると言うことは非常に自己肯定感につながりやすく、それだけで満足して終わってしまいがちです。せっかく勉強したのだから業務に活かさないともったいない。そういった意識で勉強にも業務にも取り組むと良いでしょう。

そして、改善と言う事は多かれ少なかれ従来のやり方を変えたり辞めたりすることです。慣れ親しんだやり方を変えることは抵抗があります。抵抗がある事をわざわざ勉強してやるわけです。その意味で、変化を恐れない姿勢が大切だと言うこともできます。



最後の方は精神論になってしまいましたが、このあたりが本質だろうと思っています。昨今、人口に膾炙しているDX(デジタルトランスフォーメーション)も結局デジタルな技術より、そういうモノに心理的抵抗なく取り入れられるかという心の壁だけの問題だったりします。

結局マインドセットが大切だということです。