2020年1月29日~31日にインテックス大阪で日程で開催された第4回Japan IT Weekに参加してきました。気づきや思うところがあったので、業務改善の視点から感想を書き残したいと思います。会場に行けなかった方や、業務改善、ITを利用した生産性向上、働き方改革に取り組む方の参考になればと思います。
目次
第4回Japan IT Weekの感想
イベント概要
第4回Japan IT Week 関西は下記の展示会を合同開催した催し物で合計約350社のIT企業が出展しました。
- 第4回情報セキュリティEXPO
- 第1回セールス自動化・CRM EXPO
- 第4回クラウド業務改革EXPO
- 第4回Web & デジタルマーケティングEXPO
- 第3回次世代EC & 店舗EXPO
- 第3回AI・業務自動化展
- 第4回組込みシステム開発技術展
- 第1回ソフトウェア & アプリ開発展
- 第4回IoT/M2M展
かなりおなかいっぱいな感じでたくさんの出店です。およそ350社が出展されているということもあり、IT関連のニーズはほぼ賄えるのではないかと思いました。
毎年3回開催されているJapan IT Weekの関西バージョンということで、毎年インテックス大阪で開催されています。出展ブースでは商談スペースやデモンストレーションを見ることができるスペースが用意されていて、様々な技術に触れたり世の中の動向を知ることができます。
今回は出展ブースでの情報収集より、無料セミナー受講が目的だったのでそちらをメインに時間を使いました。
受講した講演
私が訪問したのは開催2日目の1/30でした。その日に開催されていた特別講演を受講しました。午前と午後の2コマ、各3本の合計6本の講演を受講しました。午前中の特別講演3本の収穫が特に大きかったので、簡単に私の感想を紹介します。講演内容の要約ではありません。
スマートワーク・業務効率化
こちらは大満足の3本建て講演で非常に内容の充実したものでした。
- リコーにおけるAIの取り組み
- RPAからAIへ、ビジネスプロセス変革を成功させる実践的な方法とは
- 企業風土+ICTから変える「働き方改革」
の3本の講演でした。個別内容についての詳細は割愛しますが、3本の講演からの収穫(気づき)をざっくりまとめると下記の通りです。講演内容の要約ではなく、講演内容から私が感じたことのまとめです
◆ リコーにおけるAIの取り組み
- データ量で優位に立ち、活用する。さらにデータが増えるというポジティブスパイラルを目指す
- 差別化の源泉は特許ではないし、AIのアルゴリズムではない
- 競合他社との差別化の源泉はこれまで培ってきた顧客、持っているデータや技術と既存AIアルゴリズムをどう組み合わせるかにある
- 取り残されないようにするにはAI技術自体はどんどんオープンソースを使い、また、自分たちの知見もオープンにする。差別化の源泉はそこではないから
- AI(機械学習・深層学習)を現場に浸透させるために、AIかかりつけ医を20拠点設置
- AIかかりつけ医は業務時間中にKaggle*1に取り組むことができ、そこで得た賞金は自分のものにしてよいことにした
◆ RPAからAIへ、ビジネスプロセス変革を成功させる実践的な方法とは
- 定型業務を自動化する、という発想ではRPAの導入やその他の自動化は限界がある
- どの業務を自動化するか決めたら、既存のやり方にとらわれず、自動化できるように業務内容(ビジネス・サービスモデル)を設計していく
- 非定型業務を自動化するために、自動化とアナリティクスを組み合わせた業務設計を行う
- 現場からのボトムアップではこの作業はうまくいかないだろう。業務リーダー、エンジニア、プロジェクトリーダーといった業務自動化専門部隊が必要
◆ 企業風土+ICTから変える「働き方改革」
- アジャイルとカイゼンを組み合わせて高速にリリースする
- 求められているスピードは従来の2~3倍ではなく、200~300倍
- ビジネスチャットの活用でミーティングが充実する
- ミーティングが意思決定の場所になり、報告会ではなくなる
- ミーティングの数自体が減っていく
- メールはやめてしまおう。ビジネスチャット活性化の為にアンバサダーを設定してもいいかもしれない
第4回 Japan IT Week 関西のセミナーを受けて思ったことまとめ
午前中の特別講演で私が収穫と思った内容を共有してきました。とても有意義な内容だと思うので、いま一度読み返して、使えるところは使ってもらえればと思います。まとめの為にさらに集約すると下記のようになります。
- AIかかりつけ医のような思い切った転換が必要
- 差別化の源泉はアルゴリズムではなく、何とアルゴリズムを掛け合わせるか。また、何の既存技術、データを持っているか
- 既存業務を自動化するのではなく、自動化できるように業務を設計する、という発想の転換が必要
- アジャイルと改善を組み合わせる超高速リリース
- メールをやめてしまう
以上、従来の枠組み、考え方にとらわれず、自由な発想で業務改善に取り組んでいきましょう。結局このマインドセットが一番大切です。これがないとITツールを使いこなせません。結局、ITを使いこなせるか、デジタルへの転換(DX)を果たせるかはマインドセットにかかっているといえるでしょう。
*1:データ分析の最適モデルを競い合うコンペ。企業が優秀な予測モデルを買い取る制度もある