ゆんの業務改善ブログ

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【在庫管理】PSIシートから調達数量を求める簡単な考え方

PSIシートから調達数量を求める方法を解説します。PSIシートについては、【在庫管理】計画業務をうまく回すためのPSIシートで目的や意義などを解説しています。

目次

PSIシートから調達数量を求める方法

それではPSIシートを用いて調達すべき数量を求める方法を解説します。

PSIシートを完成させる

まずはPSIシートを完成させる必要があります。PSIシートのフォーマットが容易で来たらさっそく一番左に現在の在庫数量を記入しましょう。

供給見込み(需要予測数)を埋める

在庫数量が記入できたら次に供給見込み数(販売予定数、需要予測数など、職場に応じて読み替えてください)を埋めていきます。今回の例では、実績値として2020/2/1の在庫数量100だけが実数として入力されています。調達計画と供給計画についは未記入なので0となっています。在庫数のセルには、前日の在庫数+調達数-計画数の式が入力されています。これから供給数とを埋めていくことで、まず、調達を行わなかった場合の在庫数の推移の表を作成していきます。

月初の在庫数量のみが入力されている
PSIシートの初期状態

ここでは簡単に毎日同じ数量を供給する予定であるとしていますが、ここは実際に予測した数字を入力します。

初期の在庫設定と需要予測数のみが埋まっている状態
PSIシートの供給見込みが埋まった状態

2/2~2/6の5日間は毎日10個が販売され、それ以降2/11までは毎日20個の需要が見込まれている場合、上のようなPSIシートとなります。このばあい、2/9に在庫が底をつき、10個の欠品が生じることがわかりました。

調達タイミングを決める

好きなタイミングで入庫させることができるのか、あるいは輸送コストを削減するために一か月に一回などまとめて入庫することに決めているのか、企業によっていろいろな戦略があるところです。今回は1週間に一回入庫があり、図示した範囲内では2/3と2/10の2回の入庫があるものとします。

狙いたい在庫水準を決めて調達数量を決める

次に、狙いたい在庫水準に合わせて調達数量を決めます。狙いたい在庫水準とは、経営方針としてどの程度の在庫を持つかということです。この値の設定方法に関しては別途解説しますが安全在庫という考え方が必要となります。今回の例では問題を簡単にするために、常に向こう一週間の在庫を割らないという在庫管理方針があるものと仮定して話を進めます。

入庫が2/3と2/10にあるとすでに決めました。入庫予定がないと仮定すると在庫は減り続けます。常に無効1週間の在庫を割らない在庫方針ということなのでそれに見合う数字を見つければよいことになります。

2/10に在庫が補充できるので、2/3の次に在庫が最低になるのは2/9です。2/7以降の供給予測数がずっと20個/日だとすると、2/9の時点で140個の在庫があればよいことになります。PSIシートによると調達数を更新していない時点で-10個の在庫、つまり10個の欠品となっているため、150個の補充を2/3に行えば、常に1週間分の在庫が確保できることになります。

というわけで、2/3に150個の入庫を計画すると、PSIシートは下のようになります。

PSIシートを利用して調達予定数を策定することができた
2/3の調達数が決まったPSIシート

これで2/9まで常に1週間分の在庫を確保することができます。次に同様にして2/10の調達数量を決めれば、次々に一週間に1度の調達予定数を求めることができます。

PSIシートから調達数量を求める方法まとめ

ここまで、エクセルで作成したPSIシートを用いて調達予定数を求める方法を解説してきました。手順をまとめると下記の通りです。

  • 自作のPSIシートに在庫数量実績を入力する
  • 需要予測の数値を入力する
  • キープしたい在庫水準を決める
  • 調達タイミングを決める
  • 次回調達タイミングの直前がキープしたい在庫水準ぎりぎりになるように直近の発注数量を確定する


この手順を繰り返すことで、次々に調達予定数量を求めることができます。しかし実際は需要は変動するものですし、生産計画もずれてしまうこともありますよね。特に需要予測は上に外れても下にハズれても在庫計画が狂います。勾配ならまだしもこれが、自社工場の生産計画であれば、生産計画を調整しなくてはなりません。

入庫から入庫までの期間よりも生産リードタイムや材料の調達リードタイムのほうが長いと、供給予測数と供給実績数の差が調達数量に伝達できず、在庫計画のさがどんどん大きくなってしまいます。この対応についても、今後、ブログで解説していきたいと思います。

それでは、PSIで適切な在庫計画実現に向けで改善を進めていきましょう。

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