ゆんの業務改善ブログ

①生産性向上 ②業務改善 ③自動化 について情報発信しています。VBAプログラムは本当初心者から他のアプリケーションを呼び出して使う上級者的な使い方まで幅広いレベルで解説していきます。

ROI(投資利益率)|計算時の留意点

システム導入などのプロジェクト推進の為に稟議書や上申書といった書類で決裁を仰ぐことは、会社勤めでは良くあることですよね。そんな中で必ず重要視されるのがROIと呼ばれる投資対効果の指標です。

今回はROIを求める時に気を付けたい落とし穴と、システムベンダーの営業やコンサルタントに騙されない為にを解説します。

目次

ROIを算出する際に気を付けること

気を付けるべき事を見る前に、言葉の意味を確認しておきましょう。

ROIとは

ROIはReturn on Investmentの略です。Returnはリターン、回収です。Investmentは投資です。本質的な意味としては、どれくらい効率の良い投資かを求める指標です。

本質を突いた簡単な定義

式で求めるとこのようになります。

ROI = 利益 ÷ 投資額 x 100 (%)

ざっくり言うと100円かけて10円の利益が出たら、10円 ÷ 100円 x 100 =10% です。

ちゃんとした定義をざっくりと確認しておく

Wikipediaの定義を見てみます。こちらは管理会計の考え方で、経営指標です。

投資利益率(とうしりえきりつ、英: return on investment, ROI)とは、投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかを見る尺度である。下記式で計算される。

(投資利益率 %)= 100 ×(当期純利益)÷{(期首総資本+期末総資本)÷ 2 }
引用先:
ja.wikipedia.org

なんだかちょっと難しくなりました。当期純利益というのは今年度の純利益です。売上から原材料費や従業員の給与や株式の配当金やらを加味した本当の最後に手元に残った利益のことです。まあ、単に利益でいいです。割り算の分母も難しくなっています。機首総資本と期末総資本を2で割っている、と言うのはざっくり平均の総資本を求めていると言う事です。

総資本は自分のお金や建物などの資産と借りてきたお金を足したものです。売上を上げるための原動力ですね。利益を売上を上げるための原動力で割り算しているのでお金をどれだけうまく使っているか、と言う指標となります。

こちらのWikipediaの方の定義は管理会計の考え方で、資本効率を判断するための指標です。うまく利益が生み出されているか、と言う経営指標です。今回解説したいROIは経営指標としてのROIではなく、単発の投資案件のROIなので、これ以上は管理会計の方のROIに関しての解説は割愛します。

ROIに潜む罠

本質を付いた簡単な定義で解説したように、ROIの式は簡単です。もう一度書いておきます。
ROI = 利益 ÷ 投資額 x 100 (%)

ここで注意しなくてはいけないのは「利益」とは何を指すのか、「投資額」とは何を指すのか、です。式は簡単ですし、出てくる言葉も簡単なのですが、言葉が簡単だからこそ、意味を明確にしておかないと罠にはまってしまいます。罠というのは、コンサルタントに騙されたり、投資の判断を誤ってしまう可能性があると言うことです。

妥当な「利益」を設定する

上のWikipediaの例では、利益のところが当期純利益になっていました。個別の投資案件を判断するときに、必ず当期純利益にこだわる必要はありません。むしろ、案件に応じた適切な値を設定する方が大事です。当期純利益は人権費を引いたり、株式の評価損のような関係のない損益まで考慮に入れます。個別の投資案件であれば、当然、その投資が直接影響を与える利益だけに限定すべきです。売上の増加に寄与するなら「売上高の増分ー原材料費の増分」などを計算すべきです。原材料費が削減できるのであれば、その削減経費をそのまま利益に計上することができます。人手が削減できる時は要注意です。ここが罠です。人件費は粗利益に影響しません。人は付加価値を高めるためのリソースなので、労働時間を少なくしても、そのこと自体は利益には影響しないのです。よって、時間削減効果が主な利益の場合は、浮いた時間でどのような付加価値があるかを計算しなくてはなりません。

現実的にはこの計算は難しいので、ROIを計算するときの分母に労働時間の削減時間を計上しようとしている案件があったら注意しましょう。それは利益ではない可能性があります。(実際、その人をクビにするわけではないですよね)

妥当な「投資額」を設定する

普通、単に社外に流出する金額を投資額と見て問題ありません。会計的には、使って終わりの経費とお金が形を変える資産への投資は明確な違いがあります。しかし、単に投資の判断をするときは、社外に流出する金額を利益の増加額が上回っているかどうかだけを考えれば問題ありません。ポイントは、「経費と資産への投資は別物」と分かった上で、単純に捉える事です。

ROI計算時の留意点まとめ

ROI計算時の留意点をまとめます

  • ROIは利益の設定を間違いない事が大事
  • 経営指標のROIと投資案件の判断のROIは分子にすべき利益の種類が違う
  • 労働時間の削減がROIのRになっている場合は要注意
  • 経費と投資は根本的に違うが、そこまで分かった上で社外流出金に着目して「投資額」を分母にするのはOK

以上、分子と分母に敏感になって正しい投資判断ができるようにしていきましょう。