仕事や家事において作業効率を高めるにはルーチン化が有効です。ルーチン化のコツを知って、日々の仕事や生活にゆとりを持ちましょう。
この記事は会社員や主婦/主夫など日々作業に終われている方で時間に余裕を作りたい方を読者に想定しています。それでは一緒にルーチン化を進めていきましょう。
目次
作業効率を高めるルーチン化のコツ
日々の作業効率を高める最大の方法はルーチン化です。頭を使わずに体が勝手に動くようにしておくことが大事です。こうすることで、日々の作業時間が短縮でき、頭を使う事や自分がしたいことにより多くの時間を割くことができるようになります。
自己満足という落とし穴
ここでひとつ注意点があります。ルーチン化を妨げる要因は「自己満足」です。
残業が多い人によくいう台詞に「いろいろあるんだよ」と言うフレーズがあります。この発言には2つの意味があります。
- やることがいろいろある
- 考えなくてはいけないことがいろいろある
前者の「やることがいろいろある」は誰でも同じことです。忙しいアピールをしているだけなので、「大変ですね。手伝えることがあったら言って下さいね」などと適当に流しておけばOKです。2点目がより大きな問題です。
[お客様/小さなこども]の急な[納期変更の依頼/風邪]にどう対応すべきか考えながら作業している、と言うことです。いろいろな可能性を考えながら作業をしているという自己満足があるため、忙しい原因は自分の作業の方法に問題があると言う事に気づきません。こう言う人は自分では気づかず周りも指摘しづらいため忙しい族から脱却するのは難しい印象です。
でも、大丈夫。もしあなたに心当たりがあるあらば、この記事をきっかけに脱忙しい族を果たしましょう。
考えながら作業をすることは美徳ではない
前項で触れた、「考えながら作業している族」の特徴は考えながら作業をすることに自己満足していることです。考えながら作業する必要がある理由は、例外的な処理がルーチン化できていないか、作業手順がしっかり頭に入ってからです。
あらかじめすべてをパターン化することはできませんが、例外的な処理と思っていたようなことは案外、普通に起こることであって、単なる想定モレではありませんか?
毎日/毎週同じようなことで頭を使っていませんか?それこそがルーチン化するべきことです。
予め作業手順を決めておくことによって、作業をする時は頭を作業に集中されるようにするのが正しいアプローチです。
ルーチン化 5つの手順
何かを考えながら作業することが非効率であり美徳ではない、ということがわかりました。
ここから実際のルーチン化の手順を見ていきます。このルーチン化の手順は、ルーチン化する方法をルーチン化したものです。そのまま覚えちゃってください。
ルーチン化の手順は下記の通りです。
- 作業の目的を書く
- 作業の手順を書き出す
- 無駄な作業や統合できる手順がないか確認する
- 順番の並び替えを検討する
- できあがった手順を残す
できあがった手順と言うのがルーチン化できた作業となります。使うときは手順をひとつひとつ潰していくイメージで進めます。
以上の作業は頭の中でもできますが、面倒なようでも紙に書いた方が頭の中が整頓できて、ムダの発見モレが少ないので、結果的に効率的だと思います。
それぞれの手順を順に解説します。
作業の目的を書く
目的を明確にすることが一番重要です。作業の目的を明確にすることは、その作業の本質を捉えて表現することです。家事を例に説明します。
晩ごはんを作る という作業をルーチン化する時に、いきなり「まず野菜から切って、肉や魚はそのあとで・・・」と作業内容をルーチン化しようとすると失敗します。
そもそも晩ごはんを作る目的はなんでしょうか?自分と家族のお腹を満たすことですね。この目的が明確になると、外食をする、出前を取る、おかずのうち一品だけスーパーの惣菜で済ます、と言った様々な選択肢が出てきます。
あたりまえですか?いいえ、案外当たり前ではありません。
「いろいろ考えながらやってる」族のひとたちはこれらの選択肢を毎回作り出しています。選択肢を作るところから考えるなら時間がかかって当然です。
きょうの自分や外部のコンディションから、「外食、中食、内食、一部中食」から選択する、と決めておけば、選択肢を考える手間が省けるので、どの選択肢を選ぶのかに自分の時間を割くことができます。
作業をルーチン化するには目的を明確にすることから始めましょう。
作業の手順を書き出す
具体的な手順を書き出していきます。例えば晩ごはんの例で言えば、以下のような状況です。
「きょうは疲れた。でも先週末は外食したし、今晩は内食だ。一品だけ作ってあとは惣菜を買って帰ろう」
上の思考回路はかなり目的からブレイクダウンしたルーチン化 ができています。ここからが具体的な作業のルーチン化です。
これ以降の作業を列挙します。この時点で効率の良さを考えた手順を書き出す必要はありません。普段の行動をそのまま列挙してOKです。どうせ後から消したりくっつけたり並び替えたりします。
<普段の行動を思い出して列挙する>
- 帰りにスーパーに立ち寄る
- 惣菜コーナーで物色する
- サラダなどの副菜を選ぶ
- 一品だけ自分で作ろうと思っていたことを思い出す
- 冷蔵庫の中のものを思い出す
- サラダなど簡単に作れる一品が決まる
- さっき惣菜として選んだサラダと被っていることに気づく
- 惣菜を棚に戻す
- 一連の作業に疲れたのでいっそのこと弁当で済ませる
ポイントは手戻りが発生したために最終的に当初の目標である「一品だけ自分で作る」が達成できていないことです。
最初から「きょうは一品も作らないのでスーパーで弁当を買って帰る」と決めていれば目標達成ですが、今回は作業過程で、前提条件である「一品は自分で作ってそれ以外は買ってくる」が崩れています。柔軟な対応をするのと、目的を見失ってしまうのは別のことです。気をつけましょう。
無駄な作業や統合できる手順がないか確認する
手順が書き出せたので次に効率化を図る作業を行います。それは、無駄な作業を省き、統合できる手順を統合することです。間違えそうな手順や忘れやすい手順を工夫して別の手順に置き換えたり追加する作業も行います。
今回の例では、選んだ惣菜が自分が作ろうとしていた一品と同じだった事が問題でした。これが原因で手戻りが生じています。スーパーに行く途中で何を作るのか、何品目を作るのかを考えておく手順を加えましょう。これにより、スーパーで考えながら買い物をすることを防ぐことができるので、「惣菜コーナーで物色する」、「サラダなどの副菜を選ぶ」を防ぐことができます。考えながら買い物をせず、決まったモノを探すことに集中できるので「忘れてた」と言う事が起きません。これが、「おかずが被った」という手戻りを防ぐことにつながります。棚に戻す作業も必然的に削除できます。
<追加する手順>
- 何を何品目を作るのか考える
- 目的の売り場に直行する
<削除する手順>
- 「惣菜コーナーで物色する」
- 「サラダなどの副菜を選ぶ」
<統合する手順>
- 「帰りにスーパーに立ち寄る」と「何を何品目を作るのか考える」と「冷蔵庫の中のものを思い出す」
<結果的に削除できる行動>
- さっき惣菜として選んだサラダと被っていることに気づく
- 惣菜を棚に戻す
- 一連の作業に疲れたのでいっそのこと弁当で済ませる
順番の並び替えを検討する
できあがったら、実際に行動する順番に並び替えます。
- 冷蔵庫の中を考慮して何を何品目作るか考えながらスーパーに寄る
- サラダなど簡単に作れる一品が決まる
- 目的の売り場に直行する
ずいぶんすっきりしました。前項で、予め考えておく手順を加えることによって、ミスの撲滅ができ、すっきりとした手順になりました。
できあがった順を書き残す
ここまでできたら手順を書き残しておきましょう。せっかく作ったルーチン化した手順は貴重な資産です。これから先、ミスを防ぎ、時間を節約できる大切なものです。価値があるのでお金と同じです。また、書き残しておくことで、手順の変更や改善に役立てることができるようになります。
【まとめ】さらなる効率化へ
まとめます。前提として理解しておくべき点は下記、たった1点です。
- 考えながら作業をすることは美徳ではない
ルーチン化する手順は下記の通りです。
- 作業の目的を書く
- 作業の手順を書き出す
- 無駄な作業や統合できる手順がないか確認する
- 順番の並び替えを検討する
- できあがった手順を残す
今回は上から順に作業する例を考えました。料理など「お湯を沸かしている間に野菜を切る」と言った同時並行が可能な作業の場合はさらなる時間短縮効果が見込めます。その際には最遅到達点法と言う考え方を用います。同時進行するような手順も書き出すところから始めます。さらなる効率化を目指して、ゆとりある生活を実現しましょう!