ゆんの業務改善ブログ

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KPI設定のコツ|自分が影響を与えられる数値を設定する

今回は重要業績評価指標、KPIについて解説します。職場のメンバーや自分自身のやる気にも直結する重要指標設定の仕方を学んでいきましょう。

目次

KPIは自分が影響を与えられる数値を設定する

最終的な目標を達成するにはKPIの設定が大きな意味を持ちます。KPIとは何か、その意味から入り、設定のコツまでを順に見て行きましょう。

KPIとは

KPIとはKey Performance Indicatorの略で、重要業績評価指標と呼ばれるものです。指標なので、この値が高ければ高い程/低ければ低い程/ある値に近ければ近いほど、良い/悪いという目安となります。と言う事は、この数値を高く/低く/ある値に近づける、ようにすればよりよいと言う事になります。

そこでこの記事では、KPIを単なる善し悪しの指標と捉えるのではなく、積極的に達成を目指すべき目標設定値と解釈して、解説を進めます。

まずはKGIから

KPIの前にKGIという指標を導入します。KGIはKey Goal Indicatorの略で、重要目標達成指標とよばれるものです。最終的に達成したい目標です。例えば「売上○百万円以上を達成する」と言ったような感じです。まずは、最終的な目標を設定するところが出発点です。

最終目標のブレイクダウン

KGIとKPIの関係。KGIは複数のKPIの集合で成り立っている。
KGIをブレイクダウンしたモノがKPI

最終目標であるKGIが定まったら次にそれを中項目、小項目にブレイクダウンしていきます。売上○百万円以上達成というKGIを達成する為には「Aと言う商品は○個以上販売する」、「Bと言う商品は○個以上販売する」、というようにブレイクダウンしていきます。商品ごとの販売数量だけでなく、「通販で○個販売する」といったチャネルごとのブレイクダウンも考えられます。このブレイクダウンの切り口は自分の組織にあったものにしましょう。そして、ブレイクダウンした目標、ここでは「○個販売」の部分をKPIと言います。

KGIをブレイクダウンしたモノがKPIです。いくつかのKPIを達成する事でKGIを達成する事ができるので、それぞれのKPIを達成出来るようにがんばろう、と言うことです。

自分が影響を与えられる指標にまでブレイクダウンする

会社があってその中に本部や部と言った組織があります。その中に課や係、班と言った組織があります。それぞれの組織にKGIがあり、KPIがあります。前項の例では売上100万円という前者目標があるなかで、Aという商品を作っている部署は50万円というKPIを持っていました。この部署に取ってはKPIはKGIです。と言う事はAと言う商品50万円を売るための目標にさらにブレイクダウンする必要があります。

このようにKPIは下位の組織にとってはKGIである、と言う階層構造となっています。課や個人の目標に落とし込むためには、KPIを課や個人の行動が指標に影響を与える事が実感できるレベルまでブレイクダウンする必要があります。その実感できるギリギリの大きな値を課や個人のKPIとして設定するのです。

正しいKPIの設定は、業績の向上に直結する

KPIはKGIを複数の要素にブレイクダウンした指標です。この記事ではKPIは指標ではなく目標と捉えています。理由はKPIがKGIをブレイクダウンした指標である限り、それぞれのKPIを達成する事によって自然にKGIが達成出来る筈だからです。つまりKGIを正しくブレイクダウンし、適切にKPIを設定し、それぞれのKPIを達成するようにそれぞれの組織や個人を同期付け、必要なリソースを与え、補助すれば、必ずKGIが達成できる事になります。しかし、そう簡単にはいかないのが世の常ですね。落とし穴があります。

KPI設定に潜む3つの罠

KPIの設定には罠が潜んでいます。それはKPIを正しく設定できないという罠です。私の身の回りでもよく見かけるKPIの設定ミスの代表例を3点挙げます。

  • KGIと無関係なKPI
  • 切り口が間違ったKPI
  • 高すぎるKPI

順に解説していきます。

KGIと無関係なKPI

先ほどの売上100万円のKGIを一翼を担っている商品Aの販売部門について考えます。この部門のKGIは商品Aで売上50万円を達成する事です。しかし、KPIを誤って販売チャネル拡大、在庫の保管費削減、仕入れ単価の減少をKPIとして設定していまいました。

KPIをいくら達成してもKGIの達成に結びつかない
KGIと無関係なKPIが設定されている例

これが第一の罠、「KGIと無関係なKPIが設定されている」です。私の経験上、このような誤ったKPIを設定している部署は、部のメンバーがKGIを知らない事が多いように思います。KGIという本当の目的を知らずに目の前のKPIばかり追いかけているから、KPIの設定自体がおかしいことに気づいていないのです。イタイ。

このKPIの修正例は下記の通りです。

  • 販売チャネル拡大 ⇒ ネット通販の売上数量20%向上
  • 商品Aの保管費用低減 ⇒ 短納期注文に備える為の生産体制の構築/在庫水準の達成
  • 商品Aの仕入れ値削減 ⇒ 適正な販売価格設定のための競合調査

もし、この部署のKPIが売上50万円ではなく、営業利益50万円ならKPIは売上○万円、仕入れ値○%削減のようになります。KGIによってKPIは設定方法が変わるのが普通です。

切り口が間違ったKPI

無関係ではないけど、切り口が違うという惜しいKPIの設定ミスが存在します。上記の例で、「販売チャネル拡大」というKPIを「ネット通販の売上数量20%向上」というKPIに修正しました。もし、商品Aが自動車なら販売チャネルの拡大という切り口はいいかもしれませんが、ネット通販を増やすと言う切り口は間違っている可能性が高いです。それなら、試乗してくれた見込み顧客10%UPのほうがよっぽどいいKPIになるはずです。

今回は分かりやすい様に極端な例を挙げましたが、このKPI設定ミスも多く見かけます。KPIは単なる数値目標の設定ではなく、KGIを達成する為のブレイクダウンの過程の数値です。施策が間違っていれば、KPIが達成出来たとしてもKGIが達成出来なかったり、そもそもKPIが達成不可能な指標になってしまったりします。

KPIが設定できた、と思ったら、その数値を達成したら本当にKGIが達成出来るのか、KGIとの因果関係が適切かどうかについて確認してみましょう。

高すぎるKPI

3つの罠の中では比較的マシなミスです。KGIのブレイクダウンになっていて、切り口が合っていれば、それは目指す方向性が正しいことを意味しています。方向性が正しければあとは突き進むだけなので、そういう意味で「マシ」です。

それでも高すぎるKPIは避けるべきです。理由はメンバーに無理難題感があると、やる気が削がれるからです。少なくとも責任者はできると信じて疑わないレベルのある程度高い目標、位にしておきましょう。もう一つ高すぎるKPIを避けるべき理由があります。それは手段が目的となってしまう可能性があることです。

売上100万円を達成する為に、そのブレイクダウンとして、商品Aでは売上50万円というKPIを設定しました。これを、もし商品Aの売上KPIを90万円にしたらどうでしょうか?商品A,B,Cを統括している営業部長なら、商品B、商品Cの営業マンを削減して商品Aに割くかも知れませんね。あるいは、商品Aの広告費用をかけまくって、赤字になるかも知れません。手段が目的化した時、本来目指すべきKGIを見失います。そして、本末転倒なことをしたり、再策の場合、不正に手を染めることにもなりかねません。

KPIはKGIのブレイクダウンとして、妥当性のあるほどほどの高さに設定しましょう。

以上、KPI設定の際に気をつけるべき事についての解説でした。これは会社や企業経営だけでなく、個人の今年の目標を考える、なんていうときにも使える考え方なので、よく考えて適用してみて下さいね!