新型コロナウィルス拡大防止のための在宅勤務導入により通勤時間が浮いた人も多いはず。このような時こそ浮いた時間を有効活用してスキルアップを目指し、コロナ後の世界に備えましょう。実際に私が取り組んだことのある自己啓発を紹介します。スキルアップで自分の市場価値を高めましょう。
目次
プログラミングスキル
自動化からデータ分析まで業務でスキルが生かせる場面が激増するのがプログラミングです。自分の職場にあったプログラミング言語を選択することで、活躍の場面を広げていきましょう。どのプログラミング言語を学ぶかを選ぶポイントは、有名であるとか、人気があると言う事に惑わされない事です。自分の職場でどんな自動化をするのか、どんな分析をすれば役立つのかと言う視点で選ぶようにしましょう。プログラマーの平均収入ランキングを見ても仕方が無いので注意しましょう。
1.VBA エクセル自動化の王道
VBAはエクセル作業を自動化するのにうってつけのプログラミング言語です。少し深く勉強すればパワーポイントへ図表を貼り付けたりメールを自動配信することなどもできます。Windowsを職場で利用していて、エクセルを使う業務が多い方はまず間違いなく身に付けて損はありません。また、VBAの大きな魅力として、他の多くのプログラミング言語と異なり入門レベルから実務で役に立てられるレベルまでの間に溝が無いために挫折しにくいことが挙げられます。
他のプログラミング言語だと、入門書は一通り挫折せずに終わったものの、実際に役立つモノが作れないと言う状況になりがちです。VBAの場合はエクセルブックというプログラムで動かす対象が目の前にあるので、これを動かす事で「実際に役立つモノが作れない」と言う状況にならないのです。
一冊目としてオススメなのが以下の本です。図表が豊富で見やすい2色刷となっています。この一冊で基本的な文法は網羅しておりエクセル作業の自動化に必要な技術を一通り身につける事ができます。
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2.Python 自動化からデータ分析までこなすオールラウンダー
Pythonは業務自動化からデータ分析まで非常に多くの事ができるプログラミング言語です。プログラミングの学習をしたことがない人に向けて注意を促したいことは、Pythonを学べば自動化もデータ分析もできると思ってしまうことです。それは、Pythonと言う言語が幅広く利用されていると言うことであって、あなたが自動化をしたいのなら自動化のためのPythonの文法、データ分析をしたいのであればデータ分析のためのPythonの文法を学習しなくてはならないと言うことです。考えてみれば当たり前の事ですが、どのプログラミング言語を勉強しようか迷っている段階だとここを勘違いしてしまいがちなので注意しましょう。オススメプログラミング言語比較○選みたいな記事を読んでいるとPythonを勉強すれば何でもできる様な気がしてしまうので要注意です。勉強したことしかできる様にはなりません。
私がお世話になった自動化とデータ分析の本を紹介します。退屈なことはPythonにやらせようについては関連記事に詳しくレビューを書いていますので併せてご覧下さい。
こちらのデータ分析本の入門書はPython 3 エンジニア認定データ分析試験という認定資格の主教材となっており、資格取得を目指す人にとっては必須の一冊です。プログラミングだけではなく、データ入手から分析結果の利用まで、データ分析の流れを解説した上で、それぞれのステップに必要な知識と技術を幅広く解説している良著です。ライブラリを活用したデータ前処理やscikit-learnを使った機械学習のプログラミングについても多くのページが割かれており、理解を深めることができます。是非とも読んで終わりにせず、実務で活用してスキルを高めていきましょう。
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【Python】日本語のPDFデータを読み込む|pdfminer.six
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3.GAS Google Appsを自由自在に操る
職場で主に利用しているのがMicrosoft Officeのソフトではなく、G SuiteやGoogle Appsの場合はVBAではなくGASが自動化に最適なプログラミング言語となります。GASはGoogleアカウントとインターネットが接続できる慣用さえあれば誰でもできるとても取り組みやすいプログラミング言語です。JavaScriptをベースにしているため、GASを勉強する事はJavaScriptの基礎を勉強をする事と同じなので一挙両得とも言えます。
また、VBAと同様、入門レベルの参考書から実務で役立つまでの間に溝がないのもGASの大きな魅力です。目の前にGメールやグーグルスプレッドシートといった具体的に動かしたいモノが目の前にあるからです。このため挫折しにくいプログラミング言語だと言えます。基礎文法から実務で使えるレベルになるまで1冊で十分なオススメ書籍を紹介しておきます。
データ分析力を身に付ける
Pythonの項でプログラミングによるデータ分析の紹介をしました。データ分析をより深く理解するのに有効なのが統計学と機械学習の知識です。
4.統計学 データ分析の基礎を鍛える
統計学で身に付けるべき事はデータの取り扱いにおける概念、考え方を学ぶ事です。難しい計算式を解く力が必要なのではなく、データをどういった方針で分析するのか、分析したレポートからどのような結論を導くことができるのかが大切なポイントとなります。ビジネスの実務においては予測や推定がより重視されますが、根拠に重きを置く統計学の基礎を押さえることによって、予測や推定に重みが出てきます。
ここでは製造業における安全在庫設定やマーケティング調査のデータ分析と言った実務に直結する統計学の基礎が中学レベルの数学のみで理解できる入門書を紹介します。この本は計算そのものよりも基本的な考え方をしっかり理解させることを重要視して執筆されており、「絶対に読者を挫折させない」という著者の熱い意気込みを感じることができます。その中でも標準偏差についてその意味するところをとても詳しく解説されているのが好印象でした。
中学数学レベルで解ける穴埋め式の練習問題で理解度チェックができ、挫折しにくい内容となっていてとてもオススメです。専門家を目指すのではなく実務で活用するならこの本一冊で十分です。
5.ディープラーニングG検定 流行に流されずに正しい知識を身に付ける
ディープラーニングと言う言葉は聞いたことがあるけど、具体的に何をしているのかは知らない、なんてことはありませんか。この際、具体的な考え方やAI、人工知能と呼ばれる技術の歴史、どのように実務に応用されているかを知っておきましょう。ディープラーニングは技術者を目指す人だけのものではありません。ビジネスでエンジニアと話す時や、仕事外でもネット上のサービスを利用する時など、その背景にあるアルゴリズム(問題の解き方)を理解しておくことによって、人工知能と呼ばれる技術の課題や気をつけることなどがわかり、より正しくその果実を享受できるようになります。
私がディープラーニングG検定に合格するのに利用した2冊の本を紹介します。
一冊目は参考書です。次に紹介する問題集を解いて分からないところをこの本で調べる、と言う使い方をします。
この問題集で解けない問題が無くなるまで繰り返しました。5週目くらいですべてとけるようになりました。
資格取得を目指すのではなく、知識を入れるだけで十分という人は一冊目の参考書のみで十分です。
仕事と生活で不自由しない語学力を身に付ける
6.英語
もはや英語は必須のスキルです。メールやチャット、ネットなど書かれた英語は翻訳ツールに掛けるなどすれば良いですが、対面では聞き取りができ、なおかつ自分の意見が言えなければ話になりません。私で英語で生活、仕事ができるレベルになりましたが、具体的な書籍はここでは紹介しません。なぜなら話せるようになるために必要な事は本を買うことではないと考えているためです。
英語で会話ができる様になる為には聞き取りができる様になる事が大切です。その練習方法について解説します。まず洋画や動画のワンシーンを英語字幕ありで見ます。次に、発音、身振り手振り、表情を超マネしてしゃべるだけです。超マネすると言うところがポイントで、恥ずかしがらずに抑揚や表情までマネします。発音が一番大事です。あなたが聞こえたようにしゃべりましょう。ポイントは字幕を読むのではなく、聞こえたようにしゃべることです。
例えば、"I go to school."を読むと「アイ ゴー トゥ スクール」となってしまいます。そうではありません。「アゴルスコー」のように聞こえたらそう言いましょう。これを2~3回繰り返すと、なんと!字幕なしでその場面が聞き取れるようになっています。これをいろいろな場面、いろいろな洋画や動画でやります。字幕ありで見られる動画なら何でもイイです。
字幕を読んではいけないのに、字幕ありで練習する理由は「こういう文はこう聞こえるんだな」と覚えるためです。何を言っているか分からないのに言い方をマネするのはムダで、"I go to school."は「アゴルスコー」と聞こえるんだな、と覚えると言う事が大事です。こういう聞き取れる文のストックを増やしていく作業が
リスニング力に直結します。というか、この聞き取れる文のストックの量がリスニング力そのものです。
ビジネスと直接関係ない知識で教養を磨く
これまではビジネスの場面で直接役立つスキルや知識の自己啓発について紹介してきました。ここからはビジネスに直接役立つ知識やスキルではなく、知識を身に付けることで判断力を磨くというアプローチの自己啓発について紹介します。
7.世界遺産検定 地球と人類の歴史を学び世界平和に思いを馳せる
世界遺産はユネスコが顕著な普遍的価値を持つと認められた文化財や自然環境のことです。なぜ世界遺産として認定するかというと、素晴らしい自然や人間の歴史的な営みが分かるものは、その国だけのものではなく人類共通の大切な宝物なのでみんなで保護していくためです。このように世界中の人々で貴重な財産を守ることによって、他の国の文化や自然を理解する事につながり、その相互理解が世界に平和をもたらすという考え方です。
世界遺産の中には奴隷を収容していた施設や原爆ドームのように、人類が忘れるべきではない教訓とすべき文化財もあります。このような世界遺産に触れることで人類の営みや大自然に思いを馳せることは重要な教養と言えるでしょう。
テキストは学校の教科書のようで懐かしく、楽しみながら読み進めることができます。検定対策としては問題集で出た内容をテキストで調べると言う使い方になりますが、読み物として普通に読んでも楽しめる内容となっています。このテキストが秀逸な点は「日本の遺産」や「古代ギリシャとヘレニズム」のように世界遺産をグループ化していることです。これは試験範囲がそうなっている事と対応していますが、理解する上で関連する世界遺産を一緒に頭の中に入れることで覚えやすく理解も深まり、とても良いと感じました。
私は2級テキストと問題集しか持っていないのでここでは2級のテキストと過去問題集しか紹介しませんが、他にも3級と4級のテキストと問題集があります。
8.世界現代史 現在のビジネス環境につながる近代以降の一連の流れを知っておく
学校の教科書といえば、山川出版社。ザ・教科書といった感じの本で、高校時代を懐かしく思い出しながら読めます。社会人としては近代以降の歴史の流れを一通り押さえておくべきです。各国で耐えない紛争や民族のルーツ、宗教、経済、戦争について帝国主義時代以降の流れを押さえることができます。世界史はとても範囲が広いため、この教科書では「近代世界システム論」という考え方を使って世界史を論じています。簡単に言うと世界の中心がどこにあるかをみつけ、その世界の中心がどう移り変わっていったかを追っていく、という感じです。
9.論語 礼の作法、処世術を弟子に説いた孔子の教えを学ぶ
当たり前だと思うことから、なるほどと思うことまで弟子が書き残していった孔子の名言集です。論語研究として相当有名な方のようで、素人が論語を学ぶのであればこの一冊が良いのではないかと思います。本文に続けて書き下し文、訳が付いており、時々注釈が入っています。注釈には「~と訳されている場合があるかが、筆者は~だと思う」というような事が書かれており、この本の訳が唯一絶対の正解などではなく、論語の翻訳自体が困難な作業である事がわかり、そのこと自体も勉強になりました。
10. 哲学 古今東西の哲学を歴史の流れとグループ分けによって概観する
ビジネスマンたるもの哲学書の一つぐらい教養として知っておきたいところ、と思って買った本が「読まずに死ねない哲学名著50冊」です。哲学書を読みこなすのは相当難しい作業なのですが、それを簡単に解説している哲学カタログのような本です。
時代と共に各哲学者が分類されており、哲学の歴史概論を知る上でもとても参考になりました。その意味では冒頭にある「哲学歴史チャート」だけでも大いに価値があります。難解な哲学書から日常に役立つエッセンスを抽出し「ようするにこういうことだよ」と分かりやすく解説してくれる非常にありがたい一冊となっています。
自分の市場価値を高める自己啓発まとめ
ビジネスの現場で直接役立つスキルや知識の自己啓発、知性と教養を磨く自己啓発の2つの自己啓発を紹介してきました。興味を引く自己啓発はありましたか?
ネットにあふれる大量の情報や不安定な経済、パンデミック、崩壊しつつある終身雇用など、これだけは大丈夫と言うものがない不安な時代だからこそ、知識を得て、スキルを身に付け、自分を磨き続けることで市場価値を高めていきましょう。