ゆんの業務改善ブログ

①生産性向上 ②業務改善 ③自動化 について情報発信しています。VBAプログラムは本当の初心者から他のアプリケーションを呼び出して使う上級者的な使い方まで幅広いレベルで解説していきます。

業務はルーチン化できたときが新たな改善のタイミング

同じ仕事を淡々とこなしているといずれ倦(う)んできます。精神的に良くないです。やはり仕事をするに当たり、日々、改善を図って貢献度を高めていくことが精神的にもいいと思います。きょうは改善を図るいいタイミングについて考察します


目次

ルーチン化は貴いこと

ルーチン業務を淡々とこなすのはつらいものです。そういう業務は自動化すれば良いです。私たちがやりたいのはルーチン業務を淡々とこなすことでは無く、業務をルーチン化する事です。業務をルーチン化して、単調な作業に置き換えていくことが自動化が可能になります。

これは貴い作業です。ルーチンと言うと「誰でもできる仕事」のイメージからあまりいい印象を受けませんが、作業のルーチン化を図ること自体は貴いことです。大事です。

まずは業務の整理整頓

ルーチン化、自動化ありきではない

ルーチン化に取り組むに当たり気をつけたいのは、ルーチン化、自動化ありき、に成らないことです。現在、部署内でどのような作業があるのかをまず棚卸ししてみましょう。部署と言うと話が大きくなってしまいますが、個人レベルでもこのチェックは日常的に行うようにしましょう。

思考停止と言う言葉がありますが、何も考えずにただ毎日似たような作業を繰り返すだけでは仕事の喜びは得られません。常に自分の仕事の改善を図るようにしましょう。その第一歩が、業務の整理整頓です。

業務の整理と整頓

整理とは捨てることです。整頓とはすぐに取り出せるように整えていくことです。本当に日々やっている作業は必要なのだろうか。その業務は誰のために何のためにやっているのかを整頓していく。そして意味が無いか小さいと思えば、思い切ってやめたらどうなるかを考えてみる。別のやり方で置き換えられないかを考えてみる。

こうやって自分の業務を棚卸しして、整理整頓していくだけでも、かなりの業務改善となります。そして、やめたり、より簡易な方法にできない部分が残ります。この時点で残った業務はすでに代替えできない、付加価値の高い仕事であるはずです。ここまできて、ようやく今度はその部分のルーチン化を図っていきます。

整理(捨てること)ができない理由を探る

やめるとどうなるかを想定することで、その業務が辞められない理由が分かります。そこまで考えると、「○○さえできればいいんだったら、こんな面倒な方法じゃ無くていっそ、△△の方法でもいいんじゃね?」と思う場面が出てきます。

この場合、バックアップを取って、△△のやり方を試してみるべきです。バックアップを取ってと言うのは、一旦従来の方法をやめずに、△△を同時にやってみる。ということです。それがうまくいったら、△△からやってみて、一応従来の方法でリカバリーできるようにしておく、と言う事です。

いきなり今のやり方をやめると、実はその作業は別の工程にも影響していた、と言う事があるので危険です。

そして、△△にやり方を変えたときは、その変えた背景と影響の範囲を記録しておくようにするのがおすすめです。将来△△のやり方をさらに変更したときに、今回の改善のように別の工程に影響を与えるかどうかが分かるからです。本来業務というのは、何か目標があって、その目標を達成する為に存在するものであり、業務を改善するとはその目標への達成を容易にする、とかより高い目標を狙える方法に変更する、と言う事です。

やめて大丈夫な業務なのか影響度が分からない業務が存在していること自体が、実は本質的に危ない状況だったのです。なので、業務改善を図るに当たり、ある業務を廃止したり、統合したりやり方を変えたりするときは、その廃止の背景や方法の変更の記録を残しておきましょう。

このこと自体が、業務の改善にもつながります。なぜなら、次の業務改善の時に役立つからです。業務改善がしやすい状況を作り、それを維持、更新していくこと自体が改善です。改善しやすいように改善する、ということがいいサイクルを作っていきます。PDCAではなく、T-cupによる改善サイクルを回していきましょう。

やめることができない業務に絞れてから初めてルーチン化を考える

やめることができないと言う事は、やらねばならないと言うことです。やらねばならない業務はできるだけ単純化する事で作業効率をあげる事ができます。

やめることができない作業の例

身近なルーチン化の例としては、キーボードのタイピングが挙げられます。タッチタイピングですね。これはまさに作業のルーチンかです。業務改善では無いのでは無いかと思うかもしれませんが、立派な改善です。タッチタイピングができないうちは、文字をキーボードで打ち込む動作がルーチン化されていない状態です。つまり、簡単にできることを単純化していない状態です。

どういうことかというと、キーの位置が分かっていないので、毎回探しています。キーは毎回同じ場所に存在しているにもかかわらず、その場所を覚えていないが為に、毎回キーの位置を探しています。これは、作業自体はなくせないが作業をルーチン化する事ができる例です。

タッチタイピングは練習すれば誰でもできます。キーボードを押す作業がルーチン化されているため、キーの場所を探すこと無く、キーを打つと言う作業自体が簡単にできる=ルーチン化できていると言うことです。

工場で組み立て作業の効率化を考えるときに、機械や材料の配置、人間の導線などを工夫していきます。これは本質的には、タッチタイピングと同じです。毎回同じ作業方法で作業できるようにした上で、より効率よく動けるように配置を換えていくわけです。タイピングで言えば、キーの位置を覚えた上で、さらに早く打鍵できるようにキーボードの配置を変更するような感じです。

ルーチン化の考え方

上の例では、キーボードによるタイピングのルーチン化の例として、タッチタイピングを挙げました。これはタイピングという作業が避けられなかった上でのことです。今回はキーボードが動かないのであればその場所を覚えてしまえば、いちいちキーの位置を確認しなくてよい、と言う事に着目してタッチタイピングという単純化を果たしました。

言い方を変えれば、タイピングという作業が単純化できていない原因はキーの位置を覚えていないことにありました。このように、単純化できない時には何か理由があるはずです。その理由を排除してあげる事を考える事がルーチン化の考え方です。タイピングの例でいえば、作業効率化できていない原因はキーの位置を覚えていない⇒よってキーの位置を覚える、がルーチン化の対策です。

ルーチン化を阻害している原因を把握して取り除く事がルーチン化になることが分かりました。他の実務の例では、例えば「人間の判断が必要」という原因があれば「Aと言うときはBを選択する、それ以外ならCを選択する」というように業務ルールを整備することで人間の判断を取り除く事がルーチン化を図ることができます。

業務ルールを整備することができるのは、その業務を熟知した人だけです。コンサルタントではありません。あなたが業務担当者であれば、あなたが一番よく知っているはずです。改善の種は現場にあるのはこのためです。もし、あなたが一人前に作業していたとしても、このように業務ルールを策定することによって人間の判断を減らし、ルーチン化する事ができないのであれば、それは単に作業をこなしているだけの仕事になっていることが考えられます。


仕事を進める上では、常に本質を見極め、ルール化できないか、ルーチン化できないか、という視点を心がけましょう

まとめ

  • ルーチン化を図るにはまずは業務の整理と整頓を行う
  • 自動化はルーチン化ができてから最後に行う事
  • ルーチン化をするには業務の本質を捉えて、判断基準のルール化を行う
  • 業務をルール化するには業務の本質を捉える事が必要
  • 日々、業務をこなすだけの人になるのでは無く、本質を見極める姿勢を心がける