ゆんの業務改善ブログ

①生産性向上 ②業務改善 ③自動化 について情報発信しています。VBAプログラムは本当の初心者から他のアプリケーションを呼び出して使う上級者的な使い方まで幅広いレベルで解説していきます。

業務改善|業務改善関連用語事典

業務改善とは何なのか、どのように捉えればいいのかを分かりやすくイメージで解説します。

目次

業務改善の全体像を理解する意義

あなたは業務改善と言えば何を思い浮かべますか。自動化やムリ・ムダの削減でしょうか。確かにそれも業務改善なのですが、この記事では個別の業務改善策ではなく、業務改善とはどういった概念なのか、その全体像を解説します。業務改善の全体像を把握する事により、抜けもれなく改善の対象が把握できるため、最も効果の改善効果の高い業務領域を特定し、効果的な施策を立案できる事ができるようになります

また、自分を磨き続けると言うことが何故大事なのかと言う事についても考えます。

概要:業務改善のイメージは木

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業務改善のイメージはで表すことができます。まず、真ん中に太い幹があり、この幹は売上高の向上と経費の最適化を表しています。次に、枝の所がPQCDSMEと呼ばれる各業務のカテゴリーを表しています。PQCDSMEはそれぞれの業務の、生産性(P)、品質(Q)、コスト(C)、納品・出荷・物流(D)、安全性(S)、士気(S)、環境(E)のことです。これらの領域を改善することが改善の枝の部分となります。

【PQCDSMEについては業務改善で手をつけるポイント25選で詳しく解説をしています】

そして、それぞれの枝の先に付いている葉が現場の実務です。最後に木の根が改善を担当する業務改善担当者のスキルとなります。根っこから栄養を吸い上げ幹を太くし枝を増やし葉を増やしていくことが業務改善となります。根っこがたくましいほどスキルがあり、様々な改善に取り組むことができる事を表しています。

詳しく解説していきます。

業務改善の木の幹は売上高の向上と経費の適正化

業務改善の木の幹は売上高の向上と経費の適正化です。業務改善とは究極的には事業が産み出す付加価値を高める事です。付加価値とは簡単に言うと粗利益のことです。粗利益とは売上高と原価の差額のことです。原価とは売上を上げる商品を産み出すためにかかるコストです。

管理会計では人件費は間接業務なのか直接業務なのかによって売上原価に含めるかどうかが変わります。しかし、この記事では全ての人件費を売上原価に含めない、と言う考え方を取ります。理由は人件費は付加価値(=粗利益)から支払われる、つまり人の時間は原材料の価値を高めるのに使われ、その高めた価値から人件費が支払われると考えるのが業務改善を考える上ではうまくいくためです。間接人員もです。ただし、間接人員の人件費を直接人員と同様に扱うのは一般的ではありませんし、会計上も間違っているので、注意して下さい。あくまで、業務改善のことを考える時はこう考える方がうまくいく、と言う事です。

そして、この幹の部分が一番大切です。この幹を太くすることによって、枝はを茂らせていくことができるからです。幹の部分をどうやって太くしていくかというと、売上を上げつつ経費を最適化すると言うことです。

売上を上げるためには販売単価を下げて販売数量を上げる方法と販売単価を上げて販売数量がなるべく落ちないようにする方法があります。どちらも立派な販売戦略なので、どちらを採用するかは企業次第です。しかし、この記事では業務改善という視点から見て、売上は販売単価を上げる方向で捉えるのが本質だと言う立場を採ります。なぜなら付加価値を向上すると言うことは商品の価値が上がることなのでその分販売単価を上げることにつながるためです。

業務改善の木の枝はPQCDSMEのそれぞれの領域

木の枝は業務の切り口です。製造ではPQCDSMEと言う考え方が広く浸透しています。概要で述べた通り、PQCDSMEはそれぞれの業務の、生産性(P)、品質(Q)、コスト(C)、納品・出荷・物流(D)、安全性(S)、士気(S)、環境(E)を意味しています。

良くこの言葉はQCDと呼ばれて製造業や生産の現場で古くから親しまれてきました。しかし、このPQCDSMEという考え方は製造部門だけで無く、営業や品質管理部門、経営管理部門などあらゆる業務に適用することができます

各部門の業務をPQCDSMEの切り口で捉え直し現場の作業を分類していきます。これが、業務改善の木の枝に当たります。たとえば、営業部門で例を挙げると、生産性(P)と言えばどれくらい効率よく優良な新規顧客を開拓できるか、と指標がが考えられます。より成約率が高い見込み顧客を見つける方法を分析して見つける、価格交渉が厳しい顧客を見極めて早めに手を引くロジックを探る、と言った様なことが考えられます。

品質で言えば営業担当者の顧客対応のスムーズさや不在時の対応の質を上げる為に、顧客情報は常に共有できるようにしておく、と言った事が考えられます。このように一つ一つの業務それぞれにPQCDSMEが存在します。そのため枝の数は業務部門の数ではなく、業務の種類×PQCDSMEの7つだけ存在する事になります。

業務改善の木の葉はそれぞれの現場の実務への対応

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業務改善のはそれぞれの部門の実務に当たる部分です。ここでのポイントは葉はPQCDSMEの枝の先に付いていると言うことです。前項の例では営業部門の生産性として有料な新規顧客を開拓を開拓することとありました。ここには成約率が高い見込み顧客を見つける事と、価格交渉が厳しい顧客を見極めて手を引く事の2つの葉が付いている例を示しました。

営業部門の生産性という枝に2つ葉が付いていると言う事です。つまり、それぞれの枝にあるPQCDSMEを改善する手段は一つではなく様々な方法があると言うことです。これが枝です。たくさんの葉があるほど枝や幹が強くなっていきます。

業務改善の木の根は業務改善担当者のスキル

業務改善の木の根の部分は業務改善担当者のスキルです。例えば自動化を行うためのVBAやPythonと言ったプログラミング技術や、マーケティング知識、人事・労務に関する知識、経営戦略の知識などです。さらにビジネス領域の知識も業務改善に深く関わってきます。

上記の一般的な知識に対して、実務における専門知識をドメイン知識と言います。このドメイン知識が非常に大事で、一般的な知識と自分のいる業界、会社、部門におけるドメイン知識の相乗効果で業務改善のアイデアを産み出すことができます。よって両方を深く学ぶ事が重要です。

そして、より幅広く業務改善を図っていこうとするなら、自分が経験したことのある業務以外の業務改善を任される場面が出てきます。そのような場合、ドメイン知識を素早く理解して吸収できる能力が重要になってきます。能力を身に付ける能力これこそが業務改善の根となります。この根の部分がしっかりしていると、業務改善ができる行mの種類が広がり、業務改善に取り組む手段も広がり、さらに、より本質に近い施策が立案出来るようになります。そして売上と経費適正化という幹が太くできます。よって業務改善担当者はスキルや知識の習得を図り、どんどんと根を深く広く広げていく事により、よりよい改善提案ができるようになっていきます。

業務改善まとめ

これまでの内容をまとめると下記の様になります。

  • 業務改善とは木のような全体像をしている
  • 幹は売上高と経費からなっている
  • 幹からPQCDSMEの枝が出ており、その先に現場の実務という葉がくっついている
  • PQCDSMEを業務改善の切り口として捉えるべし
  • PQCDSMEという単語は製造業でよく使う単語だが、あらゆる業種に適用できる
  • 根は業務改善担当者のスキルを表しており、根が深く広く貼っているほど幹が太くなる
  • 実際の業務改善に取り組むときは葉からではなく幹から考える

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